種をまく前に「土作り」を行おう
菜園方法をたくさんご紹介してきましたが、土作りはどの野菜でも必要不可欠です。土は野菜にとって大事なベッドであり、安心してのびのび成長できる環境でなくてはいけません。
家庭菜園を始める時に一番大切な土作りについて紹介していきます。
農業に適した土を作ることの大切さ
おいしい野菜を作るためには、良い土が必要です。
- 保水性
- 排水性
- 通気性
良い土とは、この3つが揃っている土のことを指します。
水分を含んだベタベタした土ではなく、黒くてふかふかした触感になっていると良い土と言えるでしょう。
ふかふかした土の中では根がしっかり張れるので、栄養がたくさん吸収でき、葉や実などを大きくみずみずしくしてくれます。
土作りを怠ると、植物は病気に感染しやすくなったり、裂果や股根してしまったりなど、収穫しても食べられなくなってしまいます。おいしい野菜作りには良い土作りが必要です。
土作りの方法
①事前準備
初めての土作りでは、土の環境を最初に確認しておきましょう。
- 風向き・強さ
昼間の風向きを確認します。風の抜け方が強い場合は、背の高い植物を避けたり、逆に果物や風を受け止めてくれる植物を育てたりします - 日当たり
朝・昼・夕方の日当たりを確認します。うねを作る向きや位置を把握するため、最適な場所を見極めます。 - 水の流れ
雨の日に水がどこへ流れていくかを確認します。水はけは土作りに特に重要なので、水はけに合わせてうねの向きも調整します。 - 雑草の種類
マメ科、キク科、シソ科、ヒユ科、イネ科などの雑草が生えていると育てやすい土の傾向が高いです。 - 土の歴史・質
育てられていた野菜や活用方法によっては土質が合わない場合があります。過去に田んぼとして利用されていた土は粘土質なため、うねを高めに作ります。
PH(酸性度)を確認します。PH6.5くらいがベストですが、基準値以下の場合は草木灰を合わせて耕します。6.5以上の場合はお酢を水で500~1000倍に薄めて、しっかり天地返しをしていきましょう。
②天地返し
天地返しは、深さ15cmくらいの土をひっくり返すようなイメージで耕します。一般的には東土の中と外にいる好気性菌と嫌気性菌を活性化させることで、野菜の成長がよくなります。天地返しをする時に腐葉土や米ぬか、油粕などを入れて土の栄養バランスを整えましょう。
③肥料
肥料は野菜によって変える必要があります。腐葉土や堆肥、化成肥料などで保水力を高めたり、通気性の良い土を作ったりして栄養を吸収しやすくします。
野菜作りの前には1m2に対し2~3kgの堆肥、苦土石灰100g、化成肥料150~200g程度入れることが多いです。
種まきの1~2週間前には混ぜ合わせておきましょう。
④うねを作り、殺菌する
野菜に合わせたうねの高さや幅は調整が必要ですが、うねの向きは一般的には東西方向に作ります。
耕した土は虫にも居心地がいい状態になるので、消毒や殺菌をして虫を寄せ付けない環境にします。土に混ぜ込むタイプは種まきの前に一緒に混ぜ合わせましょう。散布するタイプは発芽前にまくのが良いでしょう。
初めての土作りでは大変に感じると思いますが、天地返しは最初の1回だけなので安心してください。
しっかり耕して土の力が強い畑は、そのまま新しい植物に合わせて追肥をしながら整えるだけで大丈夫です。
おいしい野菜を作るためにも、最初の土作りは欠かさず行いましょう。